2017年12月13日

施設での看取りについて

 ここ数年、病院での入院による看取りが徐々に減少していると言われており、その為、自宅及びそれに準ずる施設等での看取りが増えていると思われます。しかし、施設での看取りがどのように行われているかにつきましては、まだ施設ごとの対応が様々であり、地域によっても格差があるように感じます。
 これまでの当院の施設看取りにおける現状と問題点、それに対する対応につきまして私見を述べてみたいと思います。
 当院は、自宅[患宅]及び施設[サ高住、小規模多機能、グループホーム、有料ホームなど]にて在宅診療を行っている関係上、年間数件の看取りをさせて頂いております。
その中で患宅の場合は、キーパーソンである御家族が同居されていることが多い為、治療の方向性等の話が早く、又本人に対する手技も徐々ではありますが御家族が協力して頂ける事もあります。しかし、多くは介護者が一人[特に高齢者]の場合が多く、夜間も含め長時間継続的に対応することが徐々に困難になる場合もあるかと思います。
 逆に施設の場合は、施設スタッフが交代で対応しますので、ある程度の期間にわたり対応していくことは可能ですが、なかなかキーパーソンの方との話し合いが困難であり、治療方針が定まらない場合もあり、更に施設の体制によっては医療行為に、ある程度の制限がある為、病院等での対応の継続が困難な場合もあると思います。
 以上のような施設看取りの問題点を解決するために、当院では先ず最初に三者面談[患者様のキーパーソンと施設管理者等更に当院]を重要視しており、そこでの方針決定に従って対応していきたいと考えています。更に施設ごとでの対応を話し合い、どの程度の医療行為が可能であるか等をある程度話し合っていき、その事をキーパーソンの方に納得して頂くことが必要と考えています。この様に対応しておけば、施設スタッフの不安を少しでも解消することになるのではないかと思っております。
posted by sachi at 15:22| Comment(0) | 宏Dr | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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